唐突にレビュー。

HANA HOU

HANA HOU

曲的にも活動時期的にも、もはや「Jダンスロック界のTUBE」というポジションを確立した感のあるTHE BEACHES、2nd Album。
前作に引き続き、summerholicなダンスミュージックの詰め合わせ。裏打ちカッティングのギター、爽やかで涼しげなキーボード。シンプルなベースラインに重なって抜けるようなスネア。あえて誤解を招く表現をすると「前作と変わらない」作品である。しかし同時にその表現の意味するところは「抜群の安定感」でもある。2nd Albumにもかかわらずこの安定感が出せるという裏側にはやはりJLPの存在があるんだなぁと思わずにはいられない。
JLP時代の作品には少なからず多様性があって、それでも基本的にバックボーンには「ダンスミュージック」というテーマがあったように思う。そのテーマはバンド名が変わっても一貫していて、BEACHESはそこから更に「夏」というテーマに絞った楽曲をリリースし続けている。漫画で例えるのもどうかと思うが(しかも分かる人が少ない)、陸奥九十九に対するレオン・グラシエーロがそうだったようにBEACHESも「枠を狭める」ことによって活動している。万人ウケはしないかもしれないが、コアなファンにはたまらないバンドであることには間違いないだろう。
実際のところ、CDだけではBEACHESの良さが100%伝わるとは到底思えない。BEACHESを知るには生で体験するのが一番である。百聞は一見にしかず、と言ってしまえばそれまでだが、BEACHESのライブには一度行ってみても損はないと思う。や、「損はない」なんてネガティブなオススメじゃぁない。絶対楽しめるはず。ちなみに東京での次のライブは8月24日なので検討してみるといいんじゃないだろうか。
もうすぐ梅雨も終わり、暑い時期に差し掛かり始める。夏を踊るTHE BEACHESはやっぱり最高のダンスロックバンドなのである。